現実世界の問題や社会的なテーマに深く切り込むマンガは、大人の読者から人気があります。マンガを読んで、いろいろと考えさせられることも多くあります。
そこで今回はおすすめの社会派マンガをピックアップしてみました。
マンガを通して、さまざまなトピックに触れてみてください。
おすすめの社会派マンガ
『ブラックジャックによろしく』(佐藤秀峰)
医療ドラマの傑作とも言える『ブラックジャックによろしく』は、研修医・斉藤英二郎が医療現場で直面する厳しい現実を描いた物語です。
舞台は研修医が過酷な日常に直面する総合病院。理想と現実のギャップ、患者の命を救うという使命感、医師同士の軋轢など、医療業界の裏側がリアルに描かれています。
医師としての成長と葛藤が強調されており、医療の現実が生々しく描かれます。
本作の魅力は、医療の世界にある「理想」と「現実」のギャップを鋭く描写している点です。斉藤の目を通して、研修医が抱える心の葛藤や、命を預かるというプレッシャーが丁寧に描かれています。
命に関わる仕事でありながら、患者やその家族に対して冷たい対応を取らざるを得ない医師のジレンマ、そして医療制度の問題なども描かれ、読者に医療について深く考えさせられる内容です。
『三丁目の夕日』(西岸良平)
昭和30年代の日本を舞台に、下町の人々の日常を温かく描く「三丁目の夕日」は、時代の移り変わりと共に人々の生活の変化を描いています。
高度経済成長期の日本で、家族や近所の絆が温かく描かれている反面、貧困や社会的格差といったテーマも背景にあります。
人間関係の温かさや、失われつつある昭和の風景がノスタルジックに描かれ、読者に昔の日本の良さや、現代社会の問題点を見つめ直す機会を提供します。
『プラネテス』(幸村誠)
宇宙ゴミ(デブリ)を回収するデブリ回収業者の物語を描いた作品。
宇宙開発という未来的なテーマを扱いながらも、登場人物たちの個人的な葛藤や社会問題が色濃く描かれています。
作中では、環境問題やテロリズム、国家間の争いといった現実世界の問題が宇宙という舞台を借りて展開され、人類の未来に対する警鐘を鳴らしています。
リアリティ溢れる描写と共に、社会的な問題に対する鋭い視点を持つ作品です。
『僕たちがやりました』(金城宗幸・荒木光)
いたずら半分で爆破事件を起こした高校生たちが、その結果に向き合い、罪の意識に苦しむ姿を描いた作品。
彼らの無知や無責任さが引き起こす悲劇と、その後の逃避行が社会の冷酷さや人間の本質を浮き彫りにします。
若者たちの無邪気さと、その裏にある深い後悔や罪悪感が重くのしかかり、読者に責任の重さや社会の不条理を考えさせる作品です。
『コウノドリ』(鈴ノ木ユウ)
産科医として活躍する主人公・鴻鳥サクラが、出産の現場を通じて描く医療マンガ。彼は表向きには産科医としての顔を持ちながら、夜はジャズピアニスト「BABY」として活躍しています。
命を扱う現場で、母親や新生児が抱えるリスクや問題に直面しながら、医師としての責任や葛藤を描きます。
見どころは、出産という生命の誕生の瞬間に焦点を当て、医療従事者としてのリアルな視点から、社会問題や医療の現場の現実を描いている点です。
未熟児や難産、不妊治療など、現代の出産にまつわる様々な問題に直面することで、医療の現実や命の重さを感じさせられます。家族や新しい命の誕生というテーマを通して、読者に感動と共に社会の問題を考えさせる作品です。
『この世界の片隅に』(こうの史代)
戦時中の広島を舞台に、一人の女性・すずの日常と戦争の悲劇を描いた作品。
すずは、戦争によって家族や生活が大きく変わる中でも、日々の暮らしを大切にしながら生きていきます。戦争という過酷な状況下で、日常のささやかな喜びや苦しみを丁寧に描くことで、戦争の残酷さだけでなく、人間の強さや温かさも浮かび上がります。
本作の魅力は、戦争の悲劇を大きなスケールで描くのではなく、あくまで個人の日常生活を通じてその影響を描いている点です。
すずの視点から描かれる戦争は、特別なことではなく、日常の一部として淡々と進んでいくため、戦争がどれほど人々の日常に深く影響を与えていたかが伝わります。戦争の悲惨さとともに、困難な状況下でも生活を続ける人々の力強さが感動的です。
『Dr.コトー診療所』(山田貴敏)
離島の診療所に派遣された若き医師・五島健助(通称:Dr.コトー)が、限られた医療設備の中で地域住民の健康を守るために奮闘する物語。
彼の人柄と医療技術が地域の人々に信頼されていく様子が感動的に描かれます。都会の大病院とは異なり、孤立した島での医療の難しさや、医師としての使命感が中心となっています。
見どころは、Dr.コトーが地域医療においてどのように人々の信頼を得ていくかという点です。限られたリソースの中で医療を提供する難しさと、それでも命を救うために最善を尽くす姿勢が感動的です。
島民たちとの交流を通じて、医療という枠を超えた人間関係や絆が深まる様子が描かれており、医師と患者という関係を超えた人間ドラマが心温まる内容となっています。
『JIN-仁-』(村上もとか)
現代の脳外科医・南方仁が、江戸時代にタイムスリップし、限られた医療技術と物資の中で、人々の命を救おうと奮闘する物語です。
現代の医療技術を駆使しつつも、当時の人々の知識や文化とのギャップに苦しみながらも、仁が次々と奇跡を起こす姿が描かれています。歴史的な人物との出会いや、当時の医療の限界と仁の葛藤も大きなテーマとなっています。
本作の魅力は、医師としての使命感と、歴史的背景が交差するスリリングな展開にあります。現代の医療知識を持ちながらも、江戸時代の限られた医療環境で戦う仁の姿は、感動的かつ緊張感が漂うものです。
当時の日本の歴史や文化が丁寧に描かれ、歴史ファンにも楽しめる内容です。仁が医師としての倫理と歴史の大きな流れの中で、どのように自己を貫くかが見どころです。
社会派マンガまとめ
社会派マンガは読んだ後に思わず考えさせられるものが多いです。
また、マンガを読んだことがきっかけで、さまざまな問題があることに気づかされることもよくあります。自分のまったく知らない世界であったり、身近だけれども詳しくは知らない世界だったりと、さまざまな世界が楽しめるのが社会派マンガの魅力でもあります。
また、面白い社会派マンガを読んだら紹介します!